しっかり食べて筋肉を増やすには
クォリーヴァ 主宰 管理栄養士
地中海食研究家 貴堂 明世
筋肉を増やしたいというのは老若男女考えていること。なかでも高齢者は介護予防の観点から筋肉減少症(サルコペニア)からくるフレイル(虚弱)を予防しておきたいものです。
そのために厚生労働省は主食+主菜+副菜を組み合わせた食事が 2 回以上の日がほば毎日 (注1)という目標を掲げています。まさに健康倶楽部の献立であれば目標が達成できますね。
ではご自身で食事を用意する際、どのように料理を選んだらよいのでしようか。
高齢者8年間の追跡調査では血液中のアルプミン、総コレステロ ー ル、ヘモグロビンの値が高い栄養群で死亡危険度が低いことが分かりました(注 2 )。栄養素としてはたんはく質、脂質、コレステロ ー ル、鉄分が不足しないように食べるとよいのです。
また、筋肉を支える骨を作るカルシウム、ビタミン D 、ビタミン K 他の栄養素も大切です。これらをバランスよくとることができるわかりやすい指標として「さあにぎやか(に)いただく」という合言葉をロコモチャレンジ推進協議会が提唱しています。「さかな・あぶら・にく・ぎゅうにゆう・やさい・かいそう・いも・たまご・たいず製品・くだもの」の頭文字をつなげたもので、 10 品目中毎日7 品目以上を 2 食以上に分け、ほば毎食主食、主菜、副菜の形式に整えて食べることを推奨しています。高齢者は主食よりも、たんばく質やカルシウムを含んだ食品を多めにとって栄養素密度の高い食事にし注 3 )、筋肉や骨を増やすようしっかり食べてほしいのです。
健康倶楽部の献立でも毎日 7 品目(夕食と朝食の 2 食で)以上この品目を達成しています。
「さあにぎやかにいただく」出典:ロコモチャレンジ!推進協議会・東京都健康長寿医療センタ ー 研究所
「さあ、にぎやかにいただく」は、東京都健康長寿医療センタ ー 研究所が開発した食品摂取の多様性スコアを構成する10 種の食品群の頭文字をとったもので、ロコモチャレンジ!推進協会が考案した合当葉です。
注
- 健康日本21(第2次) 厚生労働省
- SShinkai et al.The Gerontologist,48(special issue Ⅱ),125,2008;新開省二,日本医事新報,4615,71-77,2012
- ロコモチャレンジ推進協議会提唱