免疫力アップは腸の中から

クォリーヴァ　主宰　管理栄養士

地中海食研究家　貴堂　明世

コロナが流行した時期は免疫力という言葉が大変注目されました。その向上法の一つとして腸内細菌叢の改善が関係することが指摘されています注1）。腸内の悪玉菌の割合が高くなるとアレルギー反応や免疫力、精神状態、体重や皮膚などに影響がでてきます。
改善のためには2種類のものを補給すると効果的です。（1）発酵食品。これがプロバイオティクス注2）です。腸の善玉菌を補うには日本古来の発酵食品である「みそ」「しょうゆ」「納豆」「漬物」が手軽です。
ただし市販品のなかには乳酸菌が少なく添加物が多いものもあり効果を得にくい場合があります。
「ヨーグルト」などの乳酸菌を含む食品や「麹」もよいでしょう。（2）善玉菌のえさとなる食物繊維など。これがプレバイオティクス注3）です。現代人は食物繊維の摂取量が足りない傾向にありますが、きのこ類や海藻類、葉野菜、根菜、
豆、全粒穀類をバランスよくとると補給できます。こうしてみると野菜のぬか漬けは乳酸菌と食物繊維を両方含む料理ということになり、副菜やみそ汁もとっておけば健康食品やサプリメントに頼らずとも食事で十分ということになります。
ところが高齢になって歯が悪くなったり、咀嚼力が低下したりすると野菜の皮やスジを取り除いたやわらかい料理を好むようになります。おのずと食物繊維の摂取量が減ってくることがあるわけです。そのような場合は、やわらかく煮込んだ料理やポタージュのように調理法の工夫をし、
ヨーグルトにオートミールや玄米フレークをひとさじ加えて食べたりすれば簡単です。からだの状況に応じてサプリメントも併用してもよいでしょう。