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花粉症を少しでも和らげるには?

人生100年時代の食事学 タイトル

人生100年時代の食事学 和食アイコンクォリーヴァ 主宰 管理栄養士

地中海食研究家 貴堂 明世

 毎年1月末ごろからスギ花粉症で悩んでおられる方は多いのではないでしょうか。今回はアレルギー反応を少しでも和らげる食事について考えてみます。

症状を悪化させるものとしてアルコール、n-6系脂肪酸(リノール酸) 注1)、刺激物。アルコールを分解するときにアセトアルデヒドがアレルギーの原因となるヒスタミンを生成するためこの時期はより控えめに。n-6系脂肪酸はサラダ油に多く含まれますが、動物性脂肪にも含まれるので揚げ物や脂質の多い肉類は少なめがおすすめです。

症状を抑えるものとしてn-3系脂肪酸(α-リノレン酸) 注1)、腸内環境を整えるプロバイオティクス  注2)食品とプレバイオティクス 注3) 食品、免疫力を向上させるアミノ酸のグルタミン酸(海草、大豆、ナッツ類など)やアルギニン(脂肪の少ない肉類、えび、ナッツ類など)、ビタミンD(魚介類、きのこ類など)、抗酸化力のあるポリフェノール(お茶類、野菜、果物など)が知られています。n-3系脂肪酸は魚の油やクルミ、しその実、アマニオイルなどに含まれます。青魚を食べる頻度を増やしたり、サラダに使う油を変えてみてはいかがでしょう。

とはいえ、どれほど体に良い成分でも摂りすぎると症状を悪化させます。ナッツ類は高エネルギーで高脂質。お茶類も飲みすぎると鼻水が止まらなくなります。結局、刺激物や油こい物を減らして野菜類や果物、お茶類を適量をとることがこの時期を乗り切るコツです。特定の食品に頼りたくなりますが、厚生労働省によると民間療法は盲検試験でも効果が認められた報告もありますが、その結果はわずかで、有用性の確認にはまだまだ検討の積み重ねが必要 注4)とのことです。

人生100年時代の食事学 イメージ01

注1) リノール酸、αーリノレン酸は体の構成成分として不可欠な多価不飽和脂肪酸。必須脂肪酸という。
注2) プロバイオティクス(Probiotics) 発酵食品など腸内細菌叢を改善するもの。 十分量を投与することで、宿主の健康に良い効果をもたらす生きた微生物。
注3) プレバイオティクス(Prebiotics) 腸内細菌のえさとなるもの。腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることで、宿主の健康を改善する 難消化性食品。
注4) 花粉症の民間医療について|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/okamoto.html