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認知症は、軽度のうちに対策を

人生100年時代の食事学Vol.5

クォリーヴァ 主宰 管理栄養士

地中海食研究家 貴堂 明世

加齢と共に心配なことの一つは認知症。厚生労働省の推計では2025年の認知症の有病者数は約700万人。65歳以上の高齢者のうち5人に1人が該当すると見込まれています注1)。それでも軽度認知症(MCI)注2)のうち認知症に進展するのは年間約10%注3)で運動や食事で発症を遅らせ予防できることが明らかになってきています。
WHOが推奨する予防のための12項目注4)のなかでは、健康的なバランスの取れた食事をとり、高血圧・糖尿病・脂質異常症を予防・治療することが推奨されています。生活習慣病対策の食事療法のポイントを簡単にいうと、塩、糖、油、アルコールの過剰摂取を避け、緑黄色野菜、果物、お茶類、豆、魚、未精製穀類中心にバランスよく食べるということです。
vol.4でお伝えしましたが、脳に栄養が常時補給され血糖値が安定するよう欠食しないことも重要です。毎食 主食+主菜+副菜の整った食事をとるよう心掛けてください。
残念ながら認知症を抑える食事や特定の成分は現在科学的に証明されていませんが、世界的には地中海食注5)も認知機能正常または軽度認知障害の成人に対し推奨できる食事と評価されています。食事以外の予防のための項目では、運動、禁煙、社会参画、認知トレーニングなどを同時に組み合わせて行うと効果が高いという考え方が世界の主流になっています。例えば自分で旅行やイベントの計画を立てて出かけたり、ボランティア活動に参加して人とかかわったりするのはいかが?高齢になると食事作りは家族や社会サービスに頼ってしまいますが、時には献立を考えて買い物に行き、調理する、誰かと楽しく食べることも予防に適していると私は思います。

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注1) 「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」
(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 九州大学 二宮教授)
注2) Mild Cognitive Impairmentの略。
認知症と完全に診断される一歩手前の状態。放っておくと認知症に進行するが、適切な予防をすることで健常な状態に戻る可能性がある。
注3) Bruscoli M.et al.Int Psychogeriatr 2004 Jun;16(2):129-40
注4) WHO「認知機能低下および認知症のリスク低減のためのガイドライン」2019年
12項目は身体活動・禁煙・栄養・アルコール・認知トレーニング・社会活動・体重・高血圧・糖尿病・脂質異常症・うつ病・難聴
注5) 地中海食 (Mediterranean diet) とはイタリア料理、スペイン料理、ギリシア料理など地中海沿岸諸国の食習慣で果物や野菜を豊富に使用する。乳製品や肉よりも魚を多く使い、オリーブオイル、ナッツ、豆類、全粒粉など未精製の穀物をよく使う。食事と一緒に適量の赤ワインを飲むという特徴がある